何かありますね、これは一体．．．
また妙ちきりんなモンが置かれてやがるぜ。
どうやらわたし達には理解できないからくりで作られているようね。
ヒデオにもわからないのですか？
生憎、わたしはただの可憐な深窓の小娘よ。
本で読んだ知識から戯言を言うくらいしか出来ないわ。
今みてえな、な。
書物が残っているというのですか？
そこには何が．．．
ねぇ、この真ん中の光に興味をそそられるんだけど！
触っていいかな！？
いいとも。
それじゃあ．．．えいっ。
オイちょっと待．．．
うおおっ！
何だァ！？
わわわ、浮いてる！？
．．．！
完全に地面との袂を分かってしまったようです。
元には戻れそうにありません．．．
ええっ、じゃあずっとこのまま！？
空を飛べるギブスンまで、危険なことになっているわね．．．
つーか何で触ったのがバカ１人なのに全員浮いてんだよ！！
落ち着いてみんな。
装置に触れてこうなったのだから、もう一度それに触れてみたら。
成程、分かった！
うおお〜．．．お？
．．．戻れました。
おぉー．．．
．．．ふう。
すごいねぇ！！あたし達みんなふわ〜ってなっちゃったよ。
こんなのも本当にヒトが造ったの！？
浮かせた、というより「無くした」．．．という感じなのかしら。
でも天井まで浮いたりはしなかったわね．．．
オイ戯言遣い。
何かしら赤き制裁。
よくわからねえが、あの装置に触れると「浮く」っつー認識で良いのか？
そうね、仕組みは全くサッパリわからないけれど。
身体が紐付き風船みたいになってしまうみたい。
紐付き風船．．．
ったく、何だってこんな装置がありやがんだ。
意味も無く置いてある訳じゃないよね？
う〜ん．．．あっ！
ごほっ。
オイオイオイ．．．
どうやら宙に浮かんだ状態で移動した場合、
何かにぶつからない限り止まることができないようです。
それはそうだよね。
でもこれで．．．
ええ、先に進めると思うわ。
とても飛び越せないような溝でも、宙に浮けば関係ない！
不便といえば不便ですが。
そうして新しい道を拓く必要のあるフロアのようです。
なら仕方ないね。
じゃあここでまた装置に触って、地面に降りましょうか。
フィン、ギブスンと黒丸は大丈夫？
何とか順応するしかないと思います。
どうやら浮いた状態でもエンカウントは発生するようですから。
そうね．．．
でも正直、こういうスカート姿で浮きながら戦いたくもないのだけれど。
何だそりゃ。
まさかテメエの味気ねえモンが見えるのを今更気にしてんのか？
消えなさい。
（モリイ、今のはケイスなりのフォローですか？）
（わかんない。）
通常戦闘はまだ「竜の咆哮」と「水月」で対処可能でしょうか。
というより、水月がないとちょっと厳しいかなぁ。
わたしが水月を構えるより速く動くこともある「ベニイロカラカル」。
全体攻撃持ちの「ワイルドボア」が出ると面倒ね。
特にワイルドボアが脅威だよ。
「アイアンドングリ」×３と同時に出て来られると大体全滅しちゃう。
私とギブスンで開幕に頭封じを成功させ、
モリイがアイアンドングリの石化付与に対応．．．
失敗すれば、ご覧の通りよ。
ウザってえ。
もうコイツらの相手をしない方が良いんじゃねえか？
そうね、せめてワイルドボアが前列に出てくれると良いんだけれど。
あっ、リリちゃん！？
こんにちは〜。
リリ．．．
あら、街に戻っていたのね。
うんそう、第五階層で採れたんだよ〜。
？ どうやらこの伐採物を見て何かを思いついたようだけど。
「魔女の黄昏亭」に行くと言っていました。
私達も行ってみましょうか。
ああン．．．？
知るかよ。
ケイス、正規の手続きをした酒場の依頼ですから。
そっかぁ、ソロル先輩にお世話になってるお返しがしたいんだ！
プレゼントの素材に第五階層で採れる木材が欲しいの？
それならちょうど「月白の木材」を持っているけれど。
じゃあこれで良いのかな？
よっ．．．リリちゃん、はいコレ！！
ちょっと待てテメエ！
ソイツは確かレア素材だろ！？
普段なかなか採れないのになんかいきなり採れたんだよ。
今日ここで渡すためだったんじゃない？
そういう考え方もあるわね。
ねーよ！
つか「伐採」持ちのルナリアだろ、ならテメエで．．．
ぐ．．．
木彫りとは意外な趣味ですね。
素材ついでに何を彫ればソロルが喜ぶかも訊かれたわ。
ドラ先、何かアイディアは無いかしら？
だから知るかっつの！！
テメエの恩返しなんだろ、そんぐらい自分で考えろや！
．．．。
いやー、リリちゃんも元気そうで良かったねぇ。
ケッ．．．
これで２３Ｆの探索も終了ですね。
見た目の広さの割りにあまり長く探索した気がしないわ。
宙を飛び回ったせいかしら。
あれも慣れてくると楽しいよね！
次はもう２４Ｆか〜。
「もう」って何だコラ。
あーうん、あたしには「望み」とか無かったからさ。
．．．あン？
みんなと一緒に世界樹の迷宮に挑むのが夢の全部だったんだよ。
だからもう、貰っちゃってるんだ。世界樹に。
．．．。
本当、想像もできなかったなぁ。
まさかあたしが、こんな雲より高い場所まで来ちゃうなんて！
．．．おう。
毎日が辛かったり楽しかったり、驚いたり喜んだり！
もうすぐ全部終わっちゃうのかな？そう思うと．．．ちょっと寂しい。
ソイツは気が早すぎだ、バカ野郎。
まーそうだね、あはは！
