17F:遮る鉱石と這い寄る猛獣


ったく、あの店主やってくれるぜ...!



それはどうかしら?



別にセリク店主の策略でああなった訳では無いとは思います。
そもそも...


あの店主さんが私達から手に入れた竜水晶を街に広めた。
みんなはそれを採りに行った、それだけのことでしょう。


そうか?
じゃあ何で邪魔な水晶を壊せるツルハシをどいつも持っていやがるんだ?


えぇーっと、一家に一振り?



特注品のクソ重いツルハシがこの街じゃマストだってのかよ。
しゃらくせぇ。


私達が障害物を排除したあとを進んでいた可能性は?



俺達が助けた衛兵は明らかに先行してただろーが!



そんなに言うものではないわ。
あの店主さん、故郷の母親に贈り物をしたい程度には「ヒト」よ?


酒場の依頼の件ですね。
なんでも手紙の返事と一緒に第四階層で採れる鉱物を贈りたいとか...


手紙かぁ。
そういえば、サビーナおばちゃんは元気かなぁ。


あのババアは殺しても死なねえっつの。
...。


ひとまず17Fまで来ましたし、もう無謀な冒険者や街の住人はいないでしょう。
16Fでも大きな被害は出ていないようで何よりです。


むしろ自分たちの心配をするべきじゃないかしら。
正直、第四階層の探索は厳しいわよね?


うーん確かに、いい加減色々と見直さないとかな。
...よし!


見直しというと、モリイ。



とりあえず休養!!
そしてお待たせしてゴメン、みんなで二つ名を取るよ!!


とりあえずこんな感じ...かな?
これでお願い!


お願い、ってこれだけじゃどうするかわかんねーぞ。



どうやら習得した達人スキルはパッシブ系が多いようですね。
(私は鷹に注力か...)


消費TPが多かったりするから、今はまだ基本を重用しようかなって。
それでそのベーシックスキルはこう。



戦い方は単純で、まず最初にあたしの「繊弱の瘴気」とケイスの「防御陣地」。
態勢を整えたらあとはバステを撒きつつ攻撃!


弱体と強化ね。



自力の足りなさをバッドステータスで誤魔化すのは今まで通り。
そこに更に、補助スキルを加えるということかしら。


確かにこれなら私と黒丸の封じ失敗≒壊滅というような事態は避けられます。



俺の防御陣地は「バンカー」が設置されて無いと使えねえ。
その為の「先制バンカー」だな?


うんそう、毎回じゃないけど、1手省けるのは単純に嬉しいし大事。



それと試してビックリしたんだけど、ヒデオの「霞斬り」が強いよ!?



今さらだけど、睡眠付与の成功率が中々のようね。
悪くないわ。


それを「剣神」でクリティカル率上昇とダメージ強化ですか。
私も獣達と連携し、魔物に勝手はさせません。


あたしは「泡沫の鎌」を1だけ取った方が強いかもしれないかなぁ。
「生気吸収」の回復を試したくてこうしたけど。



...あン?



何でしょう。
呟きのような、歌声のような...


不思議な声ね。



うーん、こんな奥地に一体誰だろう?
...。


オイ待て、テメエ...



...ッ!?



...?



...。



あれっ、消えちゃった!?
マボロシ!?


いいえ。
しばらく目つめ合ったけれど、何も言ってこなかったわ。


冒険者らしからぬ恰好をしていたように思います。
一体あの子は...


竜水晶目当ての街の住人か?
...いや、ンなモンじゃなさそうだったな。


うーん...?




大丈夫...?



ええ、何とか勝てましたね。



どこもかしこも輝く水晶だらけかと思いきや、まさか擬態した魔物とはな。
うざってえ3連戦だったぜ...


始めに水晶を集めようと提案した人は一体誰だったかしら。
普段モリイの行動を咎めている割りには...ねぇ。


うるせえぞ、悪かったなクソ!



それじゃ探索再開しよっか!



了解です。
...ところでモリイ、先程の「リザードソード」をどう思いますか?


ん? 厄介だよね、16Fでは何回もやられちゃったし。
他の魔物の属性攻撃に追撃したり、そうじゃなくても貫通攻撃が強力だよ。


いえ、そうではなく...




(あれらが武器を用い、知能も高そうなのは...私の気にし過ぎか)



オイ、このフロアのF.O.Eがお出ましだぜ。
邪魔な水晶をツルハシで叩いてたら近づいてきやがった。


んっ...どうやら「音」に反応する性質のようですね。



普段は全く動かないけれど、音がするとそこへ向かうのね。
具体的にはツルハシで邪魔な水晶を壊す時と、魔物と戦っている時かしら?


そのようです。
音が止めば動きも即座に停止するので、回避は容易でしょう。


それに、誘導も。



ああ...
こういうF.O.Eが道を塞いでいる所ではわざと音を出しておびき寄せるのね。



という訳で、17Fの探索終わりっ!
やったぁー!


達人スキルの習得により探索は確実に楽になりました。
しかし気になるのは道中で出会ったあの謎の少女です。


結局、17Fの探索中には再会できなかったわね。



あたしはまた会いたいけどねぇ。
そうして次はお喋りしたい!


会って何を喋るんだっての。
あたしはモリイ、死神だ...ってかァ?


あっはっはー。
アイサツは大事!


そういえば耳のついたようなフードをかぶっていたんじゃない?
セリアン?なのかしら。


肌の色を見た時は、ルナリア族かと思いましたが。
...分かりませんね。


TOP 第一、二階層 第三、四階層 第五階層 第六階層 ALL