3F:木立の奥で徘徊せし危険な獣


このフロアにも石造りの仕掛けがありやがんな。



どこかにある石像を倒せば、この先にも進めるんだよね?



そのはずです。
恐らくここからがこの仕掛けの本番でしょう。


ったく、面倒なハナシだぜ。
樹海にどうしてこんなモンがあるんだか。


そういえば評議会に図鑑登録をしに行った時、レムス王から話が聞けました。
昔、この世界樹は戦火に包まれたことがあるとか。


世界樹が戦火に?



これは古い伝説のような話だそうですが...



『かつて、世界樹の伝説の力を求めた暴王と呼ばれし者が、軍勢を率いてこの地に侵略したんだ。
軍の力を使って、世界樹の伝説を独り占めしようと考えてね。


そのやり方が、あまりに酷かった。
近隣の森を焼き、村を襲い、自国の兵を駐屯させて、他の国や種族の冒険者を全て近づけぬように試みたのだ。


他の国や種族の長たちは、暴王のやり方に反抗し、その軍を排除しようとしそれぞれもまた軍勢を繰り出した。
これが、伝説の大戦と呼ばれた戦いだ』



伝説の大戦...!



長きにわたって戦乱は続き、さすがの暴王も屈服し本国へ撤退したそうです。
それからルナリア族の人形遣いの手で、世界樹の麓にゴーレムが安置された。


ゴーレムだあ...?



暴王のような者が再び現れた時、樹海を守るための護衛としたんでしょう。
狙い通りに以後、樹海は禁足の地として長い間護られてきました。


へー...あれ?
でも冒険者ギルドにも、ルナリアの「人形遣い」って人達はいないよね?


ええ、長い年月の間に人形遣いは滅んでしまったそうです。
そして護衛のゴーレムの力も弱まった。


...ようするに、この仕掛けがそのゴーレムではないかと。



あー、成程。



しかしこれだけで侵入者を防げるモンか?
おいフィン、確認してえんだが「護衛」って言ったんだよな。


ええ。



さっき「護衛のゴーレムたちの力も弱まった」って言ってただろ。
人形遣いと一緒に滅んだ、とかじゃなくてよ。


はい、私はそう聞きました。
...。


...。



よし、それじゃあ出発!!



テメエはもう少し察しろよ!



何が?
ホラ道は続いているよ、はやく行こう!!



確かにモリイの言うことも一理あります。
今は目の前の障害に集中するべきかと。


わーってるよ。
関連するクエストをこなして、通常戦闘でも「稀少個体」が出るようになったぜ。


稀少個体は倒した時の経験値が多い分、危険な相手です。
どちらの意味でも早めに処理したいですね。


しかし本当に「稀少」なのか?
2戦連続で出てきやがったぞ。


まあそういうことも有るでしょう。



この「アカモリガメ」は物理攻撃に耐性があるっぽいなあ。
倒すのにちょっと時間が掛かっちゃうや。


酒場での情報だと、火属性の攻撃で倒せば特殊素材を落とすそうですが。



属性攻撃は俺達にゃ専門外だぜ。



大市で売ってる「ファイアオイル」を使えば条件は満たせるよ?
ただそれで素材を集めるのはちょっと大変かもだけど。



あれは...あれもF.O.Eですね。



新種かー...
何かこっちをじっと見てない?


どうやら2Fの芋虫と違ってかなり好戦的なようです。



こっちを確認したら向かって来やがるな。
まあ移動速度は同じだから、逃げんのは簡単そうだがよ。


こちらが魔物と戦っている最中でも動くことだけ注意ですね。
手間取っていると戦闘に乱入されかねません。



ん?



戻ってみれば街が騒がしいですね。



評議会からの新たなお触れ、とか喚いてやがる。
こりゃあ...


新ミッション発動だ!



今の私達にも関係ある内容でしょうか。



もしそうなら達成すりゃ報酬が出るんだったな。
良し、チット行ってみるか。


おお、あたし達にドンピシャな依頼!
もしかしてこれを受けないと先に進めなかったりする?


かもしれませんね。
結界には未熟者が樹海の奥に迷い込まないようにする意図もあるようですし。


これを成長した冒険者のために定期的に発動してるってことは、
下手すりゃ足止め食らってた可能性もあるじゃねーか。


運が良かったね!日頃の行いかな?



まァそういうことにしとくか。



とにかくニューロマンスはその試練を受けます、王様!




にしても「ルナリア族の魔法結界」か...



まだ気にしているんですかケイス?



いンや、評議会が試練として利用できる程度のモンだって分かったからな。
今はそんな気になんねーよ。


じゃあボーッとしてないで地図見て地図!
今のでまた何処かが通れるようになったよ?


うるせぇ、地図見たってわかんねーだろが!
いちいち石壁があった場所を回るのは面倒だぜ。


しかしこれで3Fの探索も終わりでしょう。



んー、ここにも鍵の掛かった扉があるなあ。
そこから北に行けそうだけど、いま気にしても仕方ないか。


そうですね、先へ進みましょう。



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