プロローグ:ギルド結成


世界よ、あたしが来た!!



は?



世界よ、あたしが来たー!!!



だああああ!
何いきなり叫んでんだテメェ!


いやーゴメン。
ついテンション上がっちゃって。


ったく、観光に来たんじゃねえんだぞ?
分かってんだろうな。


分かってるって。
今からあの世界樹に挑むんでしょ?


ああ、中は迷宮みたいな構造になってるらしい。
踏破すりゃ色んなモンが手に入るっつー噂だ。


へー?



一説じゃこの世を支配する権力だとか、世界の謎が解明されるとか、
最強の武、金銀財宝って話も聞くな。


ふーん。



ふーんかよ。



いやあ、そんなことより楽しみね!
いよいよあたしたちの伝説が始まるんだ!


伝説って?



ああ!
あれって冒険者ギルド?


シカトかよ!
つーかいきなり走り出すな!!



さて、いきなり語られちまったが...



もちろん自分たちのギルドを結成しますとも!
それじゃあたしがギルドリーダーってことで良いよね?


ああ!? ...チッ、しゃーねえ。
負けは負けだからな。


じゃんけん5本勝負で3連敗だったじゃん。
えーと、ギルド名は...と。


おいあんまダセェのにすんなよ?



失礼だなあ、良いギルド名ですから!
仲間が揃ったら発表するからお楽しみにね。


仲間っつってもエドガーとかいうギルド長の話だと、
ここの連中はどうも期待薄みてーだが。


とはいえ他にアテもないでしょ?
すみませーん!!


!?



あたしたち、今日から...むぐぐ!?



バカ、ンないきなり叫んでも頭おかしい奴で終わりだろうが!
手分けして1人ずつ交渉していくんだよ。


ぷはっ!
えーでも仲間募集はシャウトが基本って聞いたんだけど?


お前はあのババアの教えを真に受けすぎだ。
大体な...ん?


すみません!!!



お?



この中に、本気で世界樹の頂きを目指しているギルドはあるでしょうか!?
可能ならば、私をそこへ加えていただきたいのですが!!


...。



ホラやっぱり一般的じゃない。



よく見ろっつの、全く相手にされてねえだろ。
しかも笑われまくってやがる。


そうだね、笑われてる。
「頂き」と「いただき」が掛かってたからかな?


今度余計なことを言うと口を縫い合わすぞ。



まあとにかく、これはチャンスだね。
...よし!


おいっ!?



こんにちはー!!!



!?



あたしたち、世界樹の頂きを本気で目指してます!!
仲間になってくれませんか!?


...。



...。



あれ?



世界樹の頂きを、本気で目指している...?



うんそうだよ!
って言っても今日からの新人ギルドだけどね。


新人...



ダメだった?



いえ、私も同じようなものです。
成程...そう来ましたか。


オイちょっと待て。
何で握手してんだお前らは。


フィンと申します。
よろしくお願いします、空色のお嬢さん。


お嬢さんは止してよ、あたしはモリイ!
それともう1人。ホラ自己紹介ー。


...ったく、ケイスだ!
それよりどうすんだこの空気、もう誰も俺らの仲間に入らねえ感じだぞ。


それなら大丈夫です、私が3人分になりますから。



馬鹿は1人で十分だったんだがなあ!?
どうしてこうなった...


貴方は火のような方ですね。



何だそりゃ。
つーかマジでこの3人だけなのか?


コンゴトモヨロシク!
それじゃあここでギルド名を発表!


ハァ...



あたしたちはニューロマンス!
ギルド「ニューロマンス」だよ!!



さて、それじゃあ世界樹に踏み込むとしますか。



待って下さい、そういえば御2人は...



あン?



...みっしょん?



ギルド長も言っていたでしょう。
そういう事です。


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